★★★★★★★★★★
MOVIX八尾で。
こんな話を書くなんて、西川美和って怖い。
根元を探っていけば、非常に単純な話なのだけれど、一つの事柄を多角的に描いているので、ちょっと分かりにくいかもしれません。現に観客の反応は少し薄かったですから。
いや分かりにくいというのではないですね。どの角度から見ても、ものすごく分かりやすすぎて、どこに自分の視点を置くか迷うから、それに戸惑っている、と言う方が適切かもしれません。
だって登場人物の誰にでも感情移入できて、どの立場でも考えられるのだもの。しかも正解なんてないわけだし。
恐らく2度、3度と繰り返し観るごとに感想は変わると思う。
僻地医療が舞台になっているので、映画のコピーに「現代の世相に切り込む」とあるけれど、この映画のテーマはいつの時代でも通じることだと思います。
医者が主人公なので、医師免許という国家資格に関わってくることだけれど、江戸時代はそれさえも世襲だったわけですし、現在でも世襲が多い職業はあるわけですし、どんな職業でも「親の跡を次いで」というので納得させられるのですから。
ちなみに「ブラック・ジャック」に同じ僻地医療をテーマにした話がありました。これをアイデアの元にしたのかどうかは知りませんが、記憶のために。