★★★★★★★★★★
WOWOWで(2021年9月放送分を録画したもの)。
オーストラリア、カナダ、アメリカの合作。
19世紀初めのタスマニアが舞台。
彼の地が流刑地であったこと、イングランド人はアイルランド人を見下していること、なにより白人は征服者であること。
これらが頭に入っていないとサッパリ訳が分からない。
イングランド人の軍人にレイプされた上、夫と幼い娘を殺されたアイルランド人の女性が主人公。
暴虐の後、その軍人は自らの軍功をアピールするために野を超え山を越え何日も行かないといけない町まで出かけてしまう。
頭に血が上った彼女は復讐のために後を追うが、1人では無理なので原住民の青年を雇う。
お互いに信用していないが、旅の途中で互いの身の上話をするうちに信頼関係が出来ていき・・・というお話。
本筋に入る前、きっかけとなるレイプと殺人をかなりどぎつく描いている。
その後も同様のシーンがたびたび出てくる。
フィクションではあるだろうが、ここに出てくる暴力や差別は実際にこうだったのだと思わせる。
オーストラリアという国はそういうものの上に成り立っているわけだし、イングランド人(あえて限定するが)は世界中で同様のことをしたのだろう。
このことを具体的に映像で見せてくれる。
海外旅行に行くとき、これを見たかどうかで考え方、感じ方が異なると思うので、こういう映画は好きなのです。