★★★★★★★★★★
レンタルDVDで。
かなり久しぶりに。
前はVHSだったと思う。
前に観たとき、つまり若いころは、奥崎謙三の主義主張に目が行っていたのだけれど。
でも40を超えると、そうじゃないところにも目が行って、むしろそちらの方が興味深くなるという。
この映画での奥崎謙三は主人公。
ドキュメンタリー映画なんだから、主人公という表現はおかしいので、テーマであるべきなんだけれど。
でも、カメラを意識して行動しているし発言もしている。
中盤、行動を共にする処刑された元兵士の遺族が途中で離れるのはそのためではないか、と。
さらに終盤に近づくにつれて、演出にも口を出したい雰囲気が感じられる。
その点が興味深い。
また、当時のことを聞き出そうと関係者を訪ね回るが、その関係者の対応とその変化も興味深い。
自分に直接関係することとなると、なかなか本当のことは言えないですよね。特にカメラが回っている前だと。
最初は拒絶するものの、奥崎に<説得>されて、一様に話し始めるのも面白い。
「逃げも隠れもしない」「刑務所へ行くことも怖くない」「自分で警察を呼ぶ」と何度も何度も話している。
にもかかわらず、元上官の息子に発砲後、その場から立ち去り、現場から遠く離れた神戸で逮捕、収監された後で映画はラストを迎える。
それまでのエラそうな態度が、すべて茶番になるこの瞬間、このカタルシス!
再生し始めてすぐ、家の前を右翼の街宣車が通った。
最近は滅多に見かけることがなく、今日通ったのも何年ぶりか?ぐらい。
でも、観始めてすぐという絶妙のタイミング。
